大動脈瘤の治療について 血管外科医大竹裕志

はじめまして、大竹裕志と申します。

平成10年にステントグラフト内挿術と出会ってから、14年になりました。わずか14年ですが、この治療を取り巻く環境はめまぐるしく変わりました。確実になったことは、いままで助けられなかった患者さんを、助けることができるようになったことだと思います。

しかしステントグラフト治療は万能ではありません。ステントグラフト治療で治療できる動脈瘤、従来の人工血管置換術がのぞましい動脈瘤、どちらの治療法が良いかは患者さんお一人お一人ごとに全く違っています。

さらに、医療技術の進歩により時々刻々とその判断も変えてゆかなくてはなりません。 私は、約900人の患者さんにステントグラフト内挿術を行って参りました。この経験をもとに、最新の状況をお知らせしながら、皆様の治療にあたりたいと考えています。

大動脈瘤について

大動脈瘤~最も発見されにくい病気の一つ

大動脈瘤という病気

大動脈とは、心臓からおへそのうえまであたりまでの、身体の中で最も太い動脈につけられた名前です。
「新幹線は日本の大動脈です。」といったように使われることが多い「大動脈」ですが、実際に胸部では直径が約3cm、腹部では約2cmもあり、この大動脈の中を血液は轟々と水道の蛇口を全開にした時のように流れています。不思議なことに、日常の生活でこの爆流を感じることはまずありません。

破裂前の病気の発見・治療が大切

この大動脈の一部が本来の直径の150%以上になると、そのふくれた部分を「大動脈瘤」といいます。
大動脈瘤はだんだん大きくなると、破裂しやすくなってきます。 大動脈瘤の原因、形、大きくなるスピードなどから、どの程度になったら破裂しそうなのかは、長い間の研究によって明らかにされています。
破裂したあとに行う治療の成績は大変悪く、破裂前の病気の発見・治療が大切です。

大動脈瘤は最も発見されにくい病気の一つ

病気には発見されやすいものと発見されにくいものがあります。
大動脈瘤は最も発見されにくい病気の一つです。
それは、この病気は自覚症状がほとんどないないからです。
このため、破裂によるショック状態で初めて診断されることも少なくありません。
Silent killer(静かに忍び寄る殺人者)との異名をもつこの病気の頻度は65才以上の2-3%との報告もありますが、破裂による突然死も多く、正確な発生頻度は捉えにくいのが現状です。

大動脈瘤は以前よりは発見されやすくなっている

メタボリックシンドロームの増加に伴い、この病気も増加していると考えられていますが、通常の検診、血液検査、X線検査では確定診断がつけられないことも、この病気の発見を遅らせる原因の一つとなっています。
しかし近年、大動脈瘤への関心が高まり、また人間ドックで積極的に超音波診断装置やCT検査装置による検査が取り入れられたことにより、大動脈瘤が以前よりは発見されやすくなっています。

大動脈瘤の治療についてのご相談はこちらから
メールでお気軽にご相談ください